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この世界の名は
『パンドラ』
魔法を使い、武器を使い、争いが起き、命あるものがまるで雑草を抜くように死んでいくばかりの汚い世界。
地平線の彼方まで埋めるイギョウのカイブツと呼ばれる化け物。
いつ。
どこから。
なぜ。
だれが。
なんのために。
作ったのか?
生まれたのか?
それすらわからない――。
わかっているのは……
人間が傲慢で愚かだというぐらい。
センソウで同族を殺し尽くし、このイギョウのカイブツに対抗する術を無くした。
そんな人間が持つのは絶滅。悲観。恐怖。
それとも……歓喜?
幾ら魔法が使えようと、センソウによる被害でほとんどの戦える者達は死亡。
こんな絶望の淵にいる人類に誰が考えられただろうか?
まだ『キボウ』があるということを―――。
このパンドラというあかずの箱に光が輝く事があると。
しかも、それがたった1人の少年に託された事を……
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