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「…………」
本から顔を上げ、唖然とした顔を向けている。
『…な』
見えて…る…?
『あなた、私が見えるの…?』
それにしても知らない顔だ。いかにも真面目そうで、静かで…私と全く逆な感じがする。
しかし、そう声をかけたとたん、ばっと本に顔を背けてしまった。
……………見えてるし、聞こえてる…?
一体何だと言うのだ。
「きゃははははは」
そこに奈都葉達が楽しそうに笑って登校して来た。
「全く実里も馬鹿だよネー。死んじゃう何てサァ」
私は耳を疑った。奈都はこんな事言う何て。
「だよねー。マジ呆気なーい。」
朱美まで…。私、仲間だったよね…?
「ねぇ、花何てたむけとく必要無くない?」
「確かにー」
きゃははははと笑いながら花瓶をガタンと倒す。みるみるうちに水は机に広がり、やがて床に滴った。
『…っ』
イラッとした。奈都達だけじゃない、これを見て恐くて傍観してるやつもだ。
『おい…』
どうやったかなんか、覚えていない。気が付いた時にはさっき目の合った子を憑慰(ひょうい)して、皆を睨んでいた。
「何よ、転校生。文句有るぅ?」
奈都達は更ににやにやと皮肉っぽく笑った。
「転校生…?は、誰が。奈都、いい加減にするんだね。」
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