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デートと呼ぶにはいささか幼すぎるものだったが…
うん、さすが我が妹よ!
また可愛くなったじゃん!!
傷心の俺をデートに誘ったのは、同じく傷心の義妹。
義妹と言っても小・中と同じ学校で歳も同じ、まぁ…ただ腐れ縁なだけの赤の他人だ。
何時の頃からか『ちびスケ(義妹)』は俺を兄として慕い始めた。
最初は「お兄ちゃん」と呼ばれるのに少なからず抵抗を抱いたが、今では俺も万更でもなく可愛がってやっている。
で、そんな俺達は『傷心の心を癒す旅』と題し昨日デートをしてきたわけなのだが、まぁはっきり言って完全に無理矢理付き合わされた感じだ…
だからもちろん『Mr.無計画』の俺は面倒くさいから全部ちびスケ任せ。
で、とりあえず合流して茶店で少しの愚痴を聞き、それから向かった先は今更ながらの東京タワー。
そう来たか…
まぁとりあえず行ってみたが、案の定周りはカップルだらけ。
なんか可哀相になってきたので、そっと手を取ってやろうとも思ったが、
いかんせん!!
そんな事をしたら奴の思う壺だ。
だてに腐れ縁を続けているわけではない。
いい所も沢山知ってはいるが、それと同じくらいに小悪魔っぷりも知っているのだ。
はっきり言って容姿も声もかなり可愛い。
その証拠に昔からモテるし、同性からは目の敵にされやすい。
頭も良く男を落とすすべも持ち合わせてはいるが、俺にはその手は通じない!
だからその後も、普通に夜景を観て普通に飯を食って、東京タワーを後にした。
でもまぁちびスケのお陰で俺もやる気が出たのは確かだ。
下から見上げたタワーはやっぱり圧巻だったし、上から東京を見渡していると、もう一度この大都会を相手にする勇気が湧いてきた。
それにあの夜景を観てはしゃいでるチビの瞳は本当に無邪気で、あの瞬間だけは本当に抱き締めたいくらい愛しく思えた…
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