デート?

2/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
デートと呼ぶにはいささか幼すぎるものだったが… うん、さすが我が妹よ! また可愛くなったじゃん!! 傷心の俺をデートに誘ったのは、同じく傷心の義妹。 義妹と言っても小・中と同じ学校で歳も同じ、まぁ…ただ腐れ縁なだけの赤の他人だ。 何時の頃からか『ちびスケ(義妹)』は俺を兄として慕い始めた。 最初は「お兄ちゃん」と呼ばれるのに少なからず抵抗を抱いたが、今では俺も万更でもなく可愛がってやっている。 で、そんな俺達は『傷心の心を癒す旅』と題し昨日デートをしてきたわけなのだが、まぁはっきり言って完全に無理矢理付き合わされた感じだ… だからもちろん『Mr.無計画』の俺は面倒くさいから全部ちびスケ任せ。 で、とりあえず合流して茶店で少しの愚痴を聞き、それから向かった先は今更ながらの東京タワー。 そう来たか… まぁとりあえず行ってみたが、案の定周りはカップルだらけ。 なんか可哀相になってきたので、そっと手を取ってやろうとも思ったが、 いかんせん!! そんな事をしたら奴の思う壺だ。 だてに腐れ縁を続けているわけではない。 いい所も沢山知ってはいるが、それと同じくらいに小悪魔っぷりも知っているのだ。 はっきり言って容姿も声もかなり可愛い。 その証拠に昔からモテるし、同性からは目の敵にされやすい。 頭も良く男を落とすすべも持ち合わせてはいるが、俺にはその手は通じない! だからその後も、普通に夜景を観て普通に飯を食って、東京タワーを後にした。 でもまぁちびスケのお陰で俺もやる気が出たのは確かだ。 下から見上げたタワーはやっぱり圧巻だったし、上から東京を見渡していると、もう一度この大都会を相手にする勇気が湧いてきた。 それにあの夜景を観てはしゃいでるチビの瞳は本当に無邪気で、あの瞬間だけは本当に抱き締めたいくらい愛しく思えた…
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!