プロローグ

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真っ赤な夕日。 静かな教室。 机と机の間に夕日が2人のシルエットを映し出す。 窓の外で陸上部が練習している。 「瀬戸川クン!!」 雷斗は、はッとして真央の方を見た。 「さっきからぼ―っとしてるけど話し聞いてた??」 「あ~、聞いてた聞いてた。」 雷斗は適当に返事をした。 「そう…、ならこれ解いてみて。」 冷静にプリントを渡された。 しかも、難題の・・・。 「長谷山…、オレがこんな難題解けるとか思ッてんの??」 「あら、聞いてたんでしょ?? なら解けるはずじゃない。」 真央は余裕の表情で雷斗を見た。 雷斗はうむむ・・・と頭を抱えて渋々解き出した。 「なんで放課後に勉強しなきゃいけないんだよ~・・・。」 雷斗は机の上にアゴを乗せてうだうだ言っている。 「先生に頼まれたんだからしょうがないじゃない。 それに瀬戸川クンも承諾したでしょ。」 真央はトントンと指で机を叩きながら言ッた。 「それ…、解けなかったら課題2倍にするから。」 真央がぼそっと言った瞬間、 「…ちゃんとやります。」 雷斗は顔をさーっと真っ青にして問題を解きだした。 真央と雷斗の放課後の初日だった。  
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