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数時間後――
「(……それにしても……)」
ルナの頭の上に乗って時間を持て余しているフロウスは、ある事が気にかかっていた。
「(謎が絡み合って複雑になってきたかもしれない。色々とわからない事は山積みだけど……マスターが言ってたリネイシアの天角の事が気になる。三極の力の一つのはずなのに何故……?)」
フロウスは全く動かずに考えていたが、体に当たる風の温度が変わった事に気付いて外を見た。
「(マスター窓開けっ放しのままだし……って雪!?)」
先程までとは打って変わり、外は雪が降り始めていた。
それに驚いたフロウスはルナの肩に降り、小声で話しかけた。
「マスター、起きて。」
「……んー……何よ……」
「雪が降ってるんですけど……」
フロウスが耳元でそう言うと、ルナは眠い目を擦りながら外の景色に目を向けた。
「……で?」
「いや、何かあったら起こせた言ってたから……」
「たかが雪じゃん。」
ルナはそう返して大きくあくびをすると、頭をぽりぽりと掻きながら言葉を続けた。
「……ま、あたしの故郷がもうすぐっていう証だけどさ。」
「へー……」
「さて、降りる準備しますかね。」
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