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ルナとフロウスは長時間列車に揺られて目的地を目指し、やっとのことで終点までたどり着いた。
辺りは雪によって一面銀世界となっており、空からは雪が降り続いていた。
「ほい、到着ー。」
「寒いよマスター!こんな所で育ったの!?」
ルナの肩に乗っているフロウスは寒さのせいでがたがたと震え、今にも落ちそうなくらいに不安定な動きをしていた。
だがルナは何も気にしておらず、懐かしむように周辺を見ている。
「変わってないわ……あたしがここを出た時と変わってない。」
「マスターの心の冷たさと同じくらいこの環境は厳しいよ……」
「かもね。」
「(……あれ?反論無し?)」
さりげなく言ってはいけない事を言ってみたフロウスだったが、ルナは怒る様子も見せずに歩き始めた。
「ここからもうちょっと歩いたら着くから。それまで寒いのは我慢しててね。」
「う、うん……」
「(十年振り……何か凄い緊張するわ……)」
ルナはフロウスを肩から降ろして抱き抱え、ゆっくりと目的地を目指して歩き続けた。
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