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「……着いた……」 歩くこと10分、ルナとフロウスは木々に囲まれた小さな村に到着した。 その村には家屋が両手で数えられる程度しかなく、いかに規模が小さいかをその静けさが物語っていた。 「……変わってない。あの頃と何一つ……」 「マスター……」 ルナは村に入って辺りをキョロキョロと見回し、突然村の中心で倒れ込んで空を見上げた。 空には月が浮かんでおり、ルナはフロウスを横にして月を見つめながらため息をついた。 「……落ち着くわ。子供の頃は嫌な事があるとよくこうやって月を見てたっけ……」 「今だと皆に八つ当たりしてストレス解消が基本だけどね。」 「そうそう、八つ当たり……って違うわよ!」 毎度の如く放たれるフロウスの小言にやっと反応したルナは、横にいるフロウスを叩いて体を起こした。 「ったく……あ、そうだ。おじいちゃんに会わなきゃ。」 「おじいちゃん?」 「村長。あたしはおじいちゃんって呼んでたのよ。」 そう言うとルナはゆっくりと立ち上がって地面の雪を集めて手の平サイズの雪玉を作って不敵な笑みを浮かべた。
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