予感

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「あいつには他を魅了する何かがあるんだよ。お前だってあいつ気に入ってるんだろ?」 「……まぁね。」 「アリスは特に。研究対象としては気になりますが。」 「(おいおい……)」 アリスが放った嫌な一言に少し恐怖を感じた二人は何もツッコミを入れることが出来なかったが、アリスは平然としていた。 「強さだけなら興味無し。ただそれだけです。」 「あ、そう。じゃあさっさと行くわよ!」 レクシーはアリスの襟首を掴むと自らの影に勢いよく放り込み、鼻で笑ってイクセンを見た。 「じゃね。遊んでくるわ。」 「お前もさっさと行け!」 「……弟子とは思えない言葉ね。」 イクセンの言葉にショックを受けたレクシーはがっかりとした様子でイクセンの影の中へと消えていった。 それを見ていたイクセンは疲れたような大きいため息をつくと、部屋の入口の方に目を向けた。 「ったく、疲れる奴だな……っていうかいるんだろ?」 「……気付いていたか。」 「付き合いが長いからお前の力の波長はよくわかるんだよ。」 イクセンが不敵な笑みを浮かべながらそう話すと、部屋の入口からヴェノムが姿を現した。
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