2248人が本棚に入れています
本棚に追加
｢……イクセン、貴様はルナをどう思う？｣
｢ん？あぁ、カイルの娘か？まぁ色々と親父に似てないな。実力は高いとは思うが。｣
｢我はそうは思えんがな……｣
ルナの力量を未だに評価出来ないヴェノムがそう呟くと、イクセンは頭を掻きながら続けた。
｢ルヴィが何故ルナとの再戦に執着していたか知ってるか？｣
｢……いや。｣
｢生まれて初めて命を賭けてでも戦いたいと思ったらしい。俺達にはそんな感情持ったことの無いあいつがな。｣
そう言うとイクセンはヴェノムに近づいて肩を強く叩いた。
｢あいつがそう感じたってことはだ……強いんだよ。ルナは。｣
｢……フン、くだらんな。｣
イクセンの話を聞いたヴェノムは軽く一蹴すると、イクセンに背を向けて部屋を出ていった。
｢おいおい、どこ行くんだ？｣
｢魔神十者の一人、抹消者ヴェノムとして……我の戦場へ赴く。それだけの話だ。｣
ヴェノムはそれだけ言うと、足を止めることなく立ち去った。
それを見ていたイクセンは呆れたようにため息をついたが、微笑を浮かべていた。
最初のコメントを投稿しよう！