1話目 真夏の国

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「はいはい」 太陽の熱は相変わらずキノとエルメスに降り注ぐ。 「キノ。国が見えた」 「シャワー浴びたいな」 キノの頬に汗が伝う。 キノとエルメスは城門に向かった。 「旅人さん。申し訳ありませんが、金属類を持ち込む事は出来ません」 「はい?」 キノが聞き返す。 「ですから、金属で出来ている物は国内に持ち込めないんです」 「パースエイダーもですか?」 「はい。でもこの国は治安がいいので、パースエイダーは必要がありません」 「持ち込める物は?」 「えー、紙、布、プラスチック、木、ガラスですかね。陶器は一部、許可しています。宝石は……大丈夫ですね。出国の際にはお返しします」 門番は木でできた箱を渡す。 キノは、次々と金属類を入れていった。
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