1話目 真夏の国

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「エルメスは?」 キノが聞く。 「エルメスさんの持ち込みは一応出来ません」 「えぇえ!?」 エルメスが驚いた声を出す。 キノは少し考え込んだ。 「……エルメスは僕のパートナーなんです。持ち込みさせて下さい」 「……わかりました。しかし、条件があります。城内ではエルメスさんに乗らない事と、押して歩く時は必ず日陰に入って下さい」 「わかりました」 「あと、地図と日傘と日焼け止めクリームです。受け取って下さい」 キノは日焼け止めクリームの入ったピンを指差す。 「すみません。日焼け止めクリームは食べ物ですか?」 「いえ、肌に塗るんです。この国では一年中、日焼け止めクリームを塗ります。塗らないと10分ほどで皮膚ガンになり死にます。、必ず塗って下さい。外を歩く時は日傘をさして下さい。警察に捕まりますので」 「はぁ-」 「エルメスさんには、警察に許可を出しておくので。3日間、安心して観光をお楽しみ下さい」 と言うとエルメスのハンドル部分に『許可済み』の掛け札をかけた。 「エルメス行くよ」 「はいよ―」 キノとエルメスは城内に入っていった。
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