1話目 真夏の国

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キノは少し考える。 「…よし。君達の宿に行こう」 「「わ-い」」 男の子と女の子は傘を持ったままはしゃぐ。 「こっちだよー」 キノはエルメスを押し、少し歩いては後ろを振り向く女の子に微笑んだ。 数十分後……。 キノとエルメスが辿り着いたのは、ホテルではなく、普通の家だった。 ここに辿り着くまでに沢山の人の横を通ったが、キノに話しかけようとする者はいなかった。 キノの方をチラッと見る人はいるが、直ぐに目を伏せて通り過ぎてしまう。 今まで、民宿には泊まった事があるが、民家には泊まったことがない。 キノは期待に胸を膨らませた。
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