晴れ時々曇り

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   どこまでも続く暗闇の中を、魅和は一人歩いていた。    どんなに進んでも、出口は見えない。ただ、ずっと先の方に微かに光が揺れているように見えた。魅和はその光を目指して歩き続ける。    ついにその光にたどり着いた時それが光ではなく、紛れもない〝血″だと気付いた。    いつの間にか、魅和は自分の家の台所に立っていた。    目の前にあるのは、両親の亡骸と血まみれになって包丁を握りしめている〝大好きな″人…。    彼は驚いたような、切ないような顔をしてそこに立っていた――
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