プロローグ

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  「…お父さん?」   …嫌な予感がした。    外は降りしきる雨の音や雷鳴がとどろいているのに、薄暗い家の中は妙に静かだった。   「…お母…さん?」    玄関脇のリビングに恐る恐る足を踏み入れると、まず始めに目に入ったのは、ソファーで眠っている父の姿だった。    今朝、体調が悪いと言っていた父のことだから、今も具合が悪くて眠っているのだろう。    その時はそれくらいにしか思わなかった。
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