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「二人とも、今このエレバニアが深刻なギルダー不足なのを知ってるわよね？」
クローナが言うとおり、今現在エレバニア王国は深刻なギルダー不足に陥っていた。
「うん。父さんから聞いたことある。そのせいで軍も困ってるって」
「そう。今現在このエレバニアにいるギルダーは、この観光客が多い憩いの街と言われるトールで四人。
ここから北西に行ったところにあるすぐ近くにバルツィ帝国との境界線がある商業の街バレッタで二人。
エレバニア王国の中でも最西端であり、唯一の島であるアイトレス島にある水の都アイトレスで三人。
エレバニアの南西に位置し、年間を通じて雨が少なく、北と南を流れる二つの川のおかげで作物がたくさん採れる農業の街サリストで三人。
ここから真南にあるエレバニア王国の最南東端に位置し、すぐ東にあるギュムリ共和国の影響で東国人の数が多く、各国の難民を受け入れる施設がある交流の街シャーチェで四人。
そしてエレバニア王国の王都であり、北と南を二つの湖に挟まれた、国王も住んでおられる王都ヴァイテスで六人の計二十二名なの。だから軍の協力を得られずにはいられないって訳なの」
クローナは困った表情で話す。
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