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「でもギルド作ったくせに理由も言わずに辞めて軍に入った父さんなんだから協力して当然でしょ?」
エミレスは少し身を乗り出して言う。
「そんなわけないでしょ。軍はニカロス先生一人のものじゃないんだから。とにかくもうこれ以上軍に負担をかけることは出来ないの」
「軍といっても、エレバニアの軍隊は小規模ですからね」
リックスがようやく会話に入る。
「そう。だからあなた達にも今日から訓練生としてでなく正ギルダーとして各地のギルドを飛び回る遊撃者として所属してもらうわ」
「ということは、僕たちもクロねぇたちと同じように任務をするってこと?」
リックスが聞く。クローナは頷きながら、
「そう。ただしあなた達はまだ初期のG級ギルダーだから危険な任務はまだ出来ないわ。せいぜい犬の世話とか、落とし物探しくらいかしらね」
と答えた。するとエミレスは何かを吹き飛ばしてしまいそうな大きなため息をついた。
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