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「お、おぉ、さすがエミレスちゃん。豪快にいったねぇ。ちなみにエミレスちゃんが頼んだ今日のシェフのオススメは昔、東国の方で食べられていた“スシ”というものだよ」
「スシ?」
エミレスが聞き慣れない言葉に首を傾げて聞き返す。
「そう。なんでもこのエレバニアの東にある、ギュムリ共和国やプーラ民主国よりも、もっと東にあるジパンガという国で、1500年以上も前から食べられている料理でねぇ、なんでも熱処理も何も加えていない生の魚介類を、酢を含ませたシャリっていう穀物の上に乗せて食べるらしいんだよ」
ラスナーの説明を聞いた2人は少し驚く。
「な、生の魚介類を穀物に乗せて食べるなんて……」
「ほんとよね、ちょっと驚いたわ」
ラスナーは2人の反応を見てにっこりとした。
「さぁ、どうする?チャレンジするかい?」
そう問われた二人はしばらくの沈黙を迎える。
それは二人の頭の中に『ある想像』がよぎったからだ。
しかし二人はまるでそれを振り払うかのようにラスナーに向かって答えた。
「「食べてみます」」
二人の目はこれから戦場へと向かう兵士の目に似ていた。
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