プロローグ

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リックスもシェフのオススメと、十分間悩んだ挙げ句、故郷詰め合わせ定食というのを選んだ。 そしてしばらくして料理が運ばれてくる。 エミレスの前には、どこかの貴族の夕食を思わせるような料理たちが並び、 リックスの前には、どこかの家族の夕食を思わせるような料理たちが並ぶ。 「いっただっきまーす!」 「いただきます」 二人は手を合わせてエミレスは大きな声で、リックスは普通にそういって食べ始める。 「……うん!おいしい!さすがエレバニア一のレストランって言われるだけのことはあるわ!」 それを聞いたラスナーはまた豪快に笑う。 「エミレスちゃんにそういってもらえると、作った甲斐があったよ」 「ラスナーさん。これもおいしいです」 リックスが故郷の詰め合わせ定食を見ながらいう。 「はっはっは!二人ともありがとう!さぁ、じゃんじゃん食べてくれ!直にスシを持ってくるからな!」 ラスナーが溢れる喜びを最大限に表現しながらそういった瞬間、2人の動きが止まる。 2人の中に込み上げる『ある不安』が、危機感を駆り立てたのだ。 上機嫌で厨房に消えたラスナーに対し2人は苦笑いにも似た笑みを浮かべる。 「ど、どんなのが出てくるだろうね……」 「さ、さぁ……」 そしてすっかり意気消沈した二人がゆっくり食べ進めていくなか、ついにアレがやってきた。
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