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「はい、おまたせ」
あまりの怖さに目を閉じていた二人は、ラスナーが皿を置いた音を確認してから、ゆっくりと目を開く。
二人の双眸が捉えたのは、二人が想像したものとは全く違う一口サイズのものだった。
「ん?どうした2人とも。動きが止まっているが」
二人の異変を察知したラスナーが不思議そうに聞く。
「これが……スシ?」
しばらく考えるような素振りをしたあと、エミレスがスシなるものを指差してラスナーに聞いた。
「あぁ、そうだが。それがどうした?」
ラスナーがそう告げた瞬間、二人は肺にある酸素を全て吐き出してしまいそうほど大きな安堵の息を漏らした。
「よかった~。生の魚介類っていうから大変なものを想像しちゃったわ~」
「ほんと。もっとでかいのかと思ってた」
エミレスとリックスが口々にそういった瞬間、ラスナーが声を上げて笑いだした。
「そうか!そういうことだったのか!だから二人ともスシが来るまで神妙な顔持ちだったんだな。悪かった。私の説明が足りなかったみたいだ」
「ううん。いいの!勝手に想像してたのは私たちなんだし」
エミレスはラスナーにそういって視線をスシに移す。
「じゃあ、食べようか?リックス」
「うん。そうだね」
わだかまりが解けた二人は、笑顔でスシを頬張りはじめた。
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