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俺が呆然としていると聞こえてないと思ったのか戒が叫んだ。
「コスプレ喫茶をするのっっ!」
聞こえてる。
だから、考えて固まってたんだよ。
お前、可愛いって少し自覚してくれよ。
コスプレなんて…、コスプレなんて、最高じゃねぇかっっ!!
だけど、余計にライバル増えるだろうし、高校生の理性なんか弱いからな。
襲われないか心配だ。まぁ、いざとなったら俺達が守ってやるけどな。
かぁああああ。
言った後に戒は真っ赤に顔を染め、悔しそうな顔をした。
…ごめん。
俺の方が理性崩壊しそう。
ニコリ。
「…いいね。で、戒君はコスプレ何をするの?」
兄貴が戒に質問する。だけど、兄貴知ってるんだろ?
「戒君?」
答えを促す兄貴はめちゃくちゃ楽しそうだ。
戒はますます赤くなり、
「知らないっっ!まだ決まってないっっ!」
と言い、顔をぷいっと背けた。
くっ。
なんて素直な反応だろうか。
ホントにお前、可愛すぎ。
しばらくして戒は兄貴に逆らった事に気付き、慌てる。
びくびく。
小動物がおそるおそる天敵を観察する様子ってこうなんだろうか。戒の様子に俺達は吹き出しそうになったが堪えた。
「楽しみは学祭までとっておくよ。」
兄貴が言うと、戒は目を丸くした。
『あっ、俺も。』
ホントは兄貴が多分知ってるだろうから教えてもらってもよかったが、確実に楽しみが増えたな。
戒はどんなコスプレでも似合うから大丈夫だ。
だけど、ホント心配だな。
なんにせよ当日は絶対、守ってやるからなっっ!
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