夢じゃない☆

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車の中で、戒はすやすやと寝息をたてて眠っていた。 ホント、無防備だな(笑)。 俺が悪いヤツだったらどうするつもりだったんだろうか。 だが、安心してもらえてるっていうのはなかなか嬉しいもんだけどな。 家に着くまでゆっくり寝かせてやらなきゃな。 そう思い、いつも以上にゆっくりと安全運転で家に戻った。 家に戻ったが、戒は一向に起きようとしない。 あまりに気持ち良さそうなんで起こすのを止め、俺は戒を抱いた。いわゆる姫抱っこみたいにしてだ。 すたすたすた。 玄関まで足早に行くと、兄貴が待っていた。 帰ってたのかよ。 「おかえり、炎。」 『ただいま、兄貴。』 うわ、こりゃスゲェ照れちまうんだが。 そんな俺の心情を察したのか兄貴は笑う。 クスクス。 「早くお入り。戒君はぐっすりだね。」 戒の顔を楽しそうに覗きこむ。 『兄貴…。』 何て声を掛けたらいいんだ。 わかんねぇ。 でも、これだけは言わないと。 『ありがとうな。』
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