夢じゃない☆

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「別に感謝されるいわれはないよ。」 笑顔で兄貴はさらっと言うが、俺にはあるんだよ。 兄貴が薬でももってくれなきゃ、戒は正直に自分の気持ちに向き合わずにいただろう。 それに、アレが大きなきっかけだと思うしな。 まぁ、でも兄貴なりの「どういたしまして。」だと思うけどな。 くくっ。 こういうとき、長年の兄弟って便利だよな。 「何を笑っているんだい?」 『兄貴は謙遜しすぎだ。嫌みに聞こえる。』 ストレートに思った事を言うと、兄貴はにやりと笑った。 何を照れてんだが。 ったく、わかりにくいよな(笑)。 「嫌みを言ってやってるんだよ。」 ほらな、あまのじゃくな性格なんとかなんねぇの? 戒にも誤解されたまんまだし。 まっ、戒なら兄貴の事をすぐわかるよ。 「僕は待つのは慣れてるんだよ。」 あっ、やっぱり。 わかるよな、普通。
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