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だけど、戒本人はまだわかっちゃいない。
それが可愛くもあり、どうしようもなくもどかしくも感じる。
だけど、俺に対する思いに気付いたって事はもうすぐ戒は全部気が付く筈だ。
俺は気が長いと思ったけど、案外長いのは兄貴の方かもな。
「ほら、いつまでもソコにいない。戒君が風邪をひくからね。」
『あぁ。』
兄貴の言い方に俺は苦笑を漏らしてしまう。
まったくもって兄貴らしいな。
なぁ…戒。
俺は待ってようやく、心をもらった。
だから、これが夢じゃないって事を目が覚めたらまた教えてくれ。
ちゅっ。
額にキスをし、戒を起こさないように俺は部屋に運ぶ。
そっとベットに下ろすと戒は眠そうに目をあけた。
…まだ寝ぼけてんな。
「俺は…、炎から離れないか…らね。」
『あぁ…、俺も離さない。』
そう言うと、また規則正しい寝息をたてた。
まったく起きてたんじゃないかとびっくりする。
ははっ、でも戒の本音が聞けて嬉しいよ。
ずっと待ってた。
だから、もぅ容赦しない。
全身、全力で戒を愛してやるからな。
後悔させねぇ。
だから、ずっと俺に恋しておいてくれよ。
†おわり†
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