第1章

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 ドンドン、ドンドン!! 「!!」  誰かがノックしている。剛か? 『すいません、大家なんですけど、家賃の集金なんです』  今は剛以外の奴は信じられない。悪いけど居留守を使った。 『いませんか?中山さん!出てってもらいますよ』  悪いけど五か月滞納で出てってもらうって契約書に書いてある。俺はちゃんと払っている。絶対俺を殺す筈だ。 『中山さん!それよりどうしたんですか?さっき弓が飛んでたけど』  そうか、家賃の集金の際、俺は最後になるんだ。だから時間的に大家さんはあの現場を見ていたんだ。 「大家さん」 『いるんじゃないですか?ガムテープも窓に貼ってるし、おかしいと思ってたんですよ』 「大家さん、俺を殺しに来たんでしょ?」 『何言ってるの?』 「見たんだろ?八時にやってた」 『さっきから何?私が起きたのは九時よ』  よかった、これなら安心だ。  俺はチェーンを外し、鍵を開けて、ドアを開けた。
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