第1章

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 次に映ったのは、安部総理だった。何本のマイクや新聞記者、カメラに囲まれながら総理が息を殺しながら書類を確認する。 「えー、私たち、全人類は、中山祐樹をこの世から排除しなければなりません。もう法律等は関係ありません。中山祐樹の命を無くしましょう」  総理がそう言い終えた途端、シャッター音とフラッシュが総理を飾る。  すると、いきなりその画面が途切れ、『中山祐樹を殺せ』と書いてある画面が1分程流れ、「おはようございます」と普通のテレビ番組が流れた。  普通のテレビ番組が流れたことで俺はホッと安心してリモコンを掴むが、一瞬さっき見た信じがたい映像が頭をよぎる。 「うわぁ!!」  俺はリモコンを落とし、テレビを消して、我先にとベッドに走り掛け布団を被る。 「俺は殺されるんかよ…俺は殺されるんかよ…」  いつもは掛けると暖かい布団でも身震いがする。
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