プロローグ

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「アラウ」 少女ははにかみながら狼の名を呼んだ。 ウグイスのような澄んだ声だ。 彼女の名前はキイ。 腰まで届く長い黒髪。 神秘的な紫の瞳。 小柄でほっそりとしていて、護ってあげたくなるような、可憐な少女。 「あのね、わたし、成人したの」 キイは頬を赤くしながら微笑んだ。
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