二人の賢者

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真っ白な空間に、立派な髭をたくわえた二人の賢者が椅子に座り、向かいあっている 年も老いたのだろう 二人の髪は白髪で、髭も真っ白である 1人の賢者は緑のローブを もう1人の賢者は赤のローブを着ている 二人は真っ白な空間の宙に浮いているようである 緑の賢者がこう話しを切り出した 「お主とも、長らく話してきたものだな・・・焔(読み;ほのお‐赤の賢者の名前)」 「今頃何を申す。永き仲ではないか碧(へき‐緑の賢者の名前)」 「昔は、幼き少年だったよな。現実を見ず、いつも理想ばかり追っていた」 と、碧が話しを切り出してすぐに 「碧よ!!貴方の悪いとこは、昔を思い出すところよ」 と、からかった 「焔よ。永き生きてきて、今の自分はいつ形成されたのかを思い出すときもあるだろ」 赤きローブの中に、ニヤリと笑みが見える 「悪いが、過去を後悔するような性格ではないもんでね。自分という存在は、過去の経験から形成されるものでありますよ。碧殿!!」 碧「無論、そうである。しかし、何事にも変わり目というのが存在するであるだろう。そこの変わり目をふと思い出して見るのも、娯楽ですよ」 焔「ほほぉ。そこまで言うならば、この老いぼれにもその蒼き青年期の変わり目というのを教えていただこう」 碧「あなたの好きなとこは。何だかんだ話しを聞いてくれるとこですよ」 碧は、笑顔で話し出した 無論、焔の表情は眉ひとつ動かない また、それも焔らしいのであろうか
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