君は僕、僕は君

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扉の向こうから聞こえた声は野太かった 「入ってくれたまえ」 社長の声か??と思いながら入って一言 「失礼します」 部屋は社長室のような雰囲気ではなく、課長とかのレベルの素朴な部屋だった 社長と思った人は、社長ではなく普通の面接官だった その面接官は椅子に座りながら手のひらで椅子を指し 「とりあえず座ってください」 座ろうと思い椅子を見たら 部屋の中央には二つ、椅子があった どちらに座るか悩み、面接官に聞いた 「どちらの椅子に座れば??」 面接官は少し笑みを浮かべ 「どちらでも構いませんよ」 さらに付け足して言った 「あともう一人来ますのでお待ちください」 その言葉を聞いたので僕は扉から奥の椅子に座った ・・・・・・・・・こない 面接官は沈黙の室内を気にしたのか、 「面接開始時間を少し遅めに言ってしまったもんで・・・・」 ・・・・・・・まだこない 僕はさりげなく腕時計をチェックしようとした時だった コンコン 二回ノックした音が聞こえた 面接官「どうぞはいりたまえ」 ガチャ 扉から男の人が入ってきた その男の人を見て僕は、何故か孤立した気分になった 僕だ・・・・・・・ 入ってきた男は僕と同じ体型で瓜二つだ いや、瓜二つというよりも同じだ その男は頭を軽く下げ 「失礼します」 その声は、聞いたことがある ・・・・・僕の声だった
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