君は僕、僕は君

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あれから半年 僕は自分の位置を取り戻した 「おかえり~」 その声を聞く度に妻をありがたく思う 「ただいま」 颯爽と僕は妻の声がする方へ歩んだ 「飯できてるよ」 そういわれ、僕は席に腰をおろした 妻も、僕の帰りを待っていてくれていて 卓上には、二人用の料理が温かみを残しながら僕らを待っている 「いただきます」 そう言い、箸をすすめた 毎日のこの光景が美しい 僕はいつものように、妻と正面から向きあい話す しかし、僕は妻を見たときに口が動かなくなった 「・・・・・」 妻は心配する 「どうしたの?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・【泣き黒子(ほくろ)】は、隠せないんだな・・・・・・・」 妻の顔が、ニヤッとしたように見えた・・・・・
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