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七色に輝く月を見た事はありますか?
遠い昔、人々はこの月を拝む為に、あらゆる事を致しました。一説には、拝めた者は、妖術をも超える霊力を与えれるとも…。
ここは、三日月村。まだ、七色の月に興味のない、一人の少女がおりました。
名前は、咲耶。年の頃は17才。父母の三人家族で、裕福とは言えずとも、仲睦まじく暮らしていた。
今日も、朝から畑仕事に精を出す親子を見て、遠く離れた畑を耕すの村の者は『五体満足で、働き者。あんなに幸せな家族はおらん』と口々に話していると…。
ドドドーッ。何やら地鳴りのような音がする。
バリッ…ズドドドーン…。
耳を抜けて、脳みそが、震える程のけたたましい爆音と共に、辺りも真っ黒、何里にも渡る畑地帯が、すっぽりと黒い物体に覆われてしまった。
『咲!早くこっちへ!』杉の大木の陰へ慌てて逃げ込んだ父母が呼ぶ。
咲耶は、怖さはあるものの、皆が怯え逃げ惑う程の恐怖は、感じていなかった。気付けば、杉の大木へ近付きながら、何人もの農民が、その黒い物体の中心部へ吸い込まれているではないか。『父さん、母さんはそこに居て!』そう言い残すと、
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