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それからは地獄だった。
上野を先頭に、見た事もない先輩に蔑まれて、知らない人から殴られ、年下からは見下されて。
知っている人も、悠稀を避けはじめた。
そして、親友と思っていた紘子さえも、悠稀の事を避け出したのだ。
「待って、紘子!」
悠稀が話しかけた瞬間、逃げ出した紘子を追いかける。
ほとんど叫ぶように名前を呼ぶと、慌てたように振り向いてくる。
『ちょっと、どうしたのよ!?』
いつもなら、そうやって呼ぶと心配そうに覗き込んできたのに。
「やめてよ、あなたの友達だって勘違いされるじゃない!」
なのに、かけられたのは最悪の言葉。
「とりあえず、あなたこっちに来なさい」
そう言って、どこから来たのか分からないが、複数の女子と紘子に連れられて来たのは、図書室の前の廊下だった。
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