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四人に徹斗が混ざり、ますます賑やかになった。
悠稀と紘子が先頭に、徹斗達が後ろに着いている。
「あ~、出水だっけお前」
「…何ですか」
一応先輩なのは分かっているので、徹斗は敬語だ。
だが、どこか皮肉混じりの刺々しい敬語のため、大樹は顔をしかめる。
「嫌な奴」
そう呟いて、大樹は前を見る。
「大樹、出水に用があったんだろ。いいのか?」
「いい。たいした事じゃない」
完全に拗ねたらしい大樹に、悠紫はため息をつく。
と、横から凄まじい視線を感じる。
その方向に目を向けると、徹斗が真っ直ぐ悠紫を見ていた。
ただ見つめているだけのような静かな顔なのだが、目だけは違う。
悠紫でさえ怯んでしまう程の、敵を見るような鋭い目だ。
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