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「何だ?」
悠紫には、徹斗に恨まれる理由なんてない。
数える程しか会っていない中で、あれだけ敵意を持たれるような事をしただろうか。
答えは、「NO」だ。
悠紫は、基本自分から関わる事を嫌う。
徹斗とも、多分ほとんど話していない。
「…別に、なにも」
ここで徹斗が何か言ってくれたら、原因も分かっただろう。
だが、徹斗はあえて濁したのだ。
答えたくないから。答えたら、悠稀がとられる気がして。
だから、徹斗は話さなかった。
悠稀が、悠紫の方に気があるのは知っているが、近くにいた分悠稀が誰かのものになる事が怖い。
自分の隣に、もう悠稀がいなくなるのは嫌だった。
だから、どうしても徹斗は悠紫と仲良くなれない気がする。
そう思っているのは、悠紫も同じなのだが。
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