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「悠稀~」 甘えるような声をあげて、徹斗は悠稀に向かって行く。 すぐ後ろに着いたと同時に、がばっと悠稀に抱き着いた。 「きゃあ!?」 驚いたような悲鳴をあげた悠稀だが、抱き着いてきたのが徹斗だと分かると苦笑いを浮かべた。 「徹、驚かさないで」 「ごめん、でも悠稀に抱き着きたかったから」 もう、とため息をつく悠稀の表情は穏やかだ。 徹斗は、一瞬で悠稀を独り占めにしたのだ。 今まで話していた紘子は、悠稀をとられて拗ねる。 だが、悠稀も徹斗しか目に入れていない。 3人とも、悠稀と徹斗の後ろをとぼとぼと歩くだけだ。 と、いきなり前を歩いていた2人が立ち止まる。 「お前っ!」 徹斗の威嚇するような鋭い声。 慌てて前を見ると、予想通り慶輔が立っていた。
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