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「あぁぁ!」 奇声を発しながら、慶輔が真っ直ぐ徹斗に向かう。 それは軽々避けて、徹斗はまた距離をとる。 「な、何だよ。向かって来ないのか!?」 徹斗の行為に困惑する慶輔だが、攻撃されないのなら好都合だ。 次は、立てないくらいぼろぼろにしてやる!そして、今度こそ悠稀を自分のものに! 悠稀を目の前にして、完全に慶輔は興奮していた。 一方の徹斗は、至って冷静だ。 慶輔が興奮している事にも気付いている。 馬鹿な奴。こういう戦いの場合、先に動いた方が負けだ。 だから、自分からは攻撃しない。向こうが向かってくるのを待って、返り討ちにしてやる。 自分をぼろぼろにされた事で、徹斗のプライドは傷付けられた。 なら、次は自分の番だ。悠稀に触れさせる事なんてさせない。 悠稀の目の前で、ぶざまな負け方をさせてやる。
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