2034人が本棚に入れています
本棚に追加
「あぁぁ!」
奇声を発しながら、慶輔が真っ直ぐ徹斗に向かう。
それは軽々避けて、徹斗はまた距離をとる。
「な、何だよ。向かって来ないのか!?」
徹斗の行為に困惑する慶輔だが、攻撃されないのなら好都合だ。
次は、立てないくらいぼろぼろにしてやる!そして、今度こそ悠稀を自分のものに!
悠稀を目の前にして、完全に慶輔は興奮していた。
一方の徹斗は、至って冷静だ。
慶輔が興奮している事にも気付いている。
馬鹿な奴。こういう戦いの場合、先に動いた方が負けだ。
だから、自分からは攻撃しない。向こうが向かってくるのを待って、返り討ちにしてやる。
自分をぼろぼろにされた事で、徹斗のプライドは傷付けられた。
なら、次は自分の番だ。悠稀に触れさせる事なんてさせない。
悠稀の目の前で、ぶざまな負け方をさせてやる。
最初のコメントを投稿しよう!