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「…………何のつもり?」 たっぷり間を置いてから、疑いの眼差しを悠紫に向ける。 「口の端、切れてるぞ」 とんとん、と悠紫は自分の口の端を指で突く。 口が切れる原因に、思い当たる節があるから、悠稀は顔をしかめるだけしかできない。 と、目の前にセンスのいい、青いハンカチが差し出された。 「そんなボロボロじゃ、家に帰れないだろ?それ使っていいから」 言い終わるか終わらないかの時に、悠紫は立ち上がる。 そして、真っ直ぐ図書室の扉に向かっていく。 と、扉の直前で立ち止まり、悠稀を振り返る。 「大樹に虐められて、泣いてないのは始めて見た。お前、強い奴だな」 ふっと柔らかく笑って、完全に図書室から出て行った。
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