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「悠稀も、これでもう安全ね」 ひょこりと紘子に覗き込まれて、悠稀は驚いて数歩後ろに下がる。 「え?あ、えぇ、そうね」 狼狽えている悠稀に、紘子は首を傾げて問い掛ける。 「どうしたの?悠稀、何が変よ」 「……ごめん。ごめん、紘子」 いきなり謝られても、訳が分からない。 紘子は戸惑ったが、悠稀の頭を優しく撫でる。 「どうしたの?」 「だって、私のせいで紘子に迷惑かけた。紘子だけじゃないわ。徹にも悠紫にも、上野先輩にだって迷惑かけた」 そんな事か。紘子は心の中で呆れていた。 周りを見回すと、皆が呆れているようだ。 だが、目の前で小さくなっている悠稀は、真剣に話しているのだ。 誰も迷惑と思っていないのに、悠稀は迷惑をかけたと思っている。 「悠稀、私たちは皆、迷惑なんて思ってないわ。皆、自分が好きでやった事よ」 特に出水は。紘子がそう言うと、徹斗は照れたように笑う。
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