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悠紫と紘子と大樹も帰り出す。
途中の別れ道で悠紫だけが家の方向が違うため、軽い挨拶をして別れた。
残ったのは、大樹と紘子の二人。
紘子には、久しぶりの大樹と二人きりの時間。
だが、大樹は何か考え事でもしているのか、さっきからずっと黙ったままだ。
「大樹先輩?」
さっきから声をかけているのだが、全くといっていいほど反応がない。
むぅ、と頬を膨らまして、紘子は大樹の前に周り込む。
「先輩!」
大きな声と共に、大樹の頬を抓る。
「…いてぇ!」
一拍ほど遅れて、大樹が反応した。
飛び上がって紘子の腕を払うと、抓られた頬を撫でる。
恨めしそうに紘子を見るが、彼女は全く気にする様子を見せない。
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