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悠稀は徹斗と二人で公園に来ていた。
用事はなくて徹斗と一緒の時は、よく公園に遊びに行くのだ。
「徹と遊びに行くの、久しぶりね」
ブランコに腰掛けて、悠稀は徹斗に笑いかける。
「そうだなぁ、学校変わってからほとんどなくなったよな」
徹斗も悠稀の横のブランコに座って、笑う。
しばらく二人ともブランコで遊んでいたが、ふいに徹斗の動きが止まる。
「徹?」
それに気付いて、悠稀も止まる。
「急にどうしたのよ?」
悠稀は反応のない徹斗を心配してか、わざわざブランコから降りて徹斗を見上げる。
「……悠稀」
小さく呟いて、また黙る徹斗。
ますます意味が分からないと首を捻って、悠稀はとりあえず徹斗の頭を撫でる。
しばらくは大人しく撫でられていた徹斗が、少し顔をあげる。
「今日、夜に悠稀ん家行くね」
苦笑に近い笑みでそう言う徹斗に頷きながら、悠稀には徹斗の言いたい事が分からなかった。
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