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徹斗の言いたい事が全く分からない悠稀は、ただただ混乱する。 徹斗が何も言わずにこっちをじっと見ている事も、悠稀の混乱をさらに悪化させる。 「……ど、どうして?」 考えて考え抜いた結果、逆に空回りしてありきたりな質問しか出来なかった。 だが、徹斗はそんな悠稀を見て、優しく笑った。 「あんなに考えてたのに、結局それ?」 優しく笑ってはいる。だが、徹斗は的確に悠稀の痛いところを突いてくる。 「な、何よ。徹がいきなり変な事言うからでしょう!」 反撃が出来ないから、悠稀は徹斗のせいにするしか出来ない。 くすくす笑う徹斗に、悠稀は頬を膨らませる。 「久しぶりに来たと思ったら、人をからかいに来ただけなの?」 呆れた。そう呟いた悠稀に、徹斗は小さくため息をつく。 「じゃあ、本題。悠稀は、やっぱり矢神先輩が好き?」 「なっ!?」 いきなりのストレートな質問に、悠稀の頬が真っ赤になる。 さっきよりも狼狽えている悠稀に、徹斗は聞こえるほど大きなため息をついた。 そのため息を聞いて、悠稀は冷静さを取り戻したようだ。
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