18

7/11
前へ
/373ページ
次へ
「悠稀~、枕」 腕を悠稀に目一杯伸ばして、自分の枕をねだる。 「はいはい、ちょっと待ってて」 私、徹のお母さんみたい。と小さく呟きながら、悠稀は徹斗の枕を取る。 「はい、どうぞ」 徹斗は枕を手渡してくる悠稀の腕を掴んで、自分に引き寄せる。 がっしりと悠稀を腕の中に捕まえて、徹斗は幸せそうにため息をつく。 「悠稀、いい匂いがする」 「……徹、それ変態みたいよ」 ぎゅっと抱きしめてくる徹斗の腕をぽんぽんと叩きながら、悠稀は苦笑する。 「いい。悠稀を抱きしめるのは俺にしか出来ない事だし」 甘えるように、悠稀の髪に顔を擦り寄せる徹斗。 悠稀はくすぐったそうに身をよじる。 「徹、眠いなら寝ればいいのに」 徹斗は、眠くなると悠稀に甘える。 それを知っているから、悠稀は徹斗を振り払わないのだ。
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2034人が本棚に入れています
本棚に追加