2034人が本棚に入れています
本棚に追加
「悠稀~、枕」
腕を悠稀に目一杯伸ばして、自分の枕をねだる。
「はいはい、ちょっと待ってて」
私、徹のお母さんみたい。と小さく呟きながら、悠稀は徹斗の枕を取る。
「はい、どうぞ」
徹斗は枕を手渡してくる悠稀の腕を掴んで、自分に引き寄せる。
がっしりと悠稀を腕の中に捕まえて、徹斗は幸せそうにため息をつく。
「悠稀、いい匂いがする」
「……徹、それ変態みたいよ」
ぎゅっと抱きしめてくる徹斗の腕をぽんぽんと叩きながら、悠稀は苦笑する。
「いい。悠稀を抱きしめるのは俺にしか出来ない事だし」
甘えるように、悠稀の髪に顔を擦り寄せる徹斗。
悠稀はくすぐったそうに身をよじる。
「徹、眠いなら寝ればいいのに」
徹斗は、眠くなると悠稀に甘える。
それを知っているから、悠稀は徹斗を振り払わないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!