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悠稀はしばらく徹斗の寝顔を見ていた。
だが、それもすぐに終わらせて、小さくため息をつく。
徹斗が来てくれる事は、素直に嬉しい。
自分にとって、徹斗はかけがえのない大切な親友でもあり、双子のような存在だからだ。
だから、徹斗の側が1番落ち着くし、なにより安心してなんでも話せる。
でも今、1番側に居てほしいのは、徹斗ではない。
「悠紫、もう寝てるかしら?」
一人で考える事は、いつもいつも悠紫の事だ。
自分を支えてくれた、初めて好きになった人。
悠紫は、人を好きになるという事を教えてくれた。
徹斗とは違う、側に居るだけで幸せな気分になれるのだ。
「……会いたい」
考えれば考えるだけ、悠紫に会いたくなる。
学校へ行けば会えるのだが、学年も違うため会える時間が少ない。
一日でもいいから、朝から晩までずっと一緒にいたいものだ。
「まぁ、無理かな」
流石に、そこまで望むのは我が儘だろうか。
今は無理でも、いつかそうなれたらいい。
悠稀は、自分の考えに小さく笑った。
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