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「……違う」 気付けば、悠紫は悠稀の腕を掴んでいた。 驚いた顔の悠稀がすぐ近くにいる。 堪えられなくて、悠紫は思い切り悠稀の腕を自分に引き寄せた。 「きゃっ!」 悠稀が気付いた時には、ソファーと悠紫の間に挟まれていた。 「え、悠紫?」 「俺は、二人きりでずっといれるのかと聞いたんだ」 悠紫の、いつも以上に真剣な眼差しが、悠稀を貫く。 あまりの驚きで声も出ない悠稀は、必死で頭を働かせる。 「あ、えっと……」 だが、上手く逃げる言葉が思い浮かばずに、悠紫の視線から逃げるように視線を泳がせる。 と、顎を掴まれて無理矢理視線を合わせられる。 「悠稀」 真剣な眼差しに、何も言えない。 ただ、心臓がうるさいくらいに鳴っていて、何も聞こえない。 「えぇ」 気付いた時には、自然と口にしていた。
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