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その答えを聞いた時、悠紫はとても嬉しそうな笑みを浮かべながら悠稀を解放する。
悠稀はすぐに悠紫から離れ、真っ赤な顔で俯いた。
「悠稀、おいで」
悠紫の柔らかい声に逆らう事など出来るはずもなく、悠稀は怖ず怖ずと悠紫に近付く。
悠稀がすぐ近くに来たのを確認すると、悠紫は腕を広げる。
「いいか?」
わざと悠稀に許可を求める。
悠稀は何の許可を求められたのか分からず、首を傾げる。
その悠稀の状態に苦笑して、悠紫は立ち上がって悠稀に近付いた。
「悠稀、抱きしめてもいいか?」
真っ赤に染まっていた顔が、ますます赤くなる。
林檎みたいだ、とぼんやり考えていた悠紫は、悠稀が頷いたのを見て驚く。
「いい、のか?」
「ゆ、悠紫が聞いてきたのよ!だから、許可したんじゃない」
恥ずかしそうに笑った悠稀を、悠紫はぎゅっと抱きしめる。
悠稀も嫌がるそぶりなど見せずに、悠紫の腰に腕を回す。
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