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まさか、抱きしめられてるのに他人の事を考えるなんて思わなかった。
天然なのか、なんなのか。
とりあえず、悠稀は普通とは違うのだろう。
悠紫はゆっくりと悠稀を解放する。
ちょうどその時、授業開始をしらせるチャイムが鳴り響く。
「あぁ、授業!」
悠稀が慌てて図書室の入り口に行こうとしているのを見て、悠紫は悠稀の腕をしっかり掴む。
驚いて振り向いた悠稀に、やんわりとした笑みを向ける。
「どこに行く気だ?」
「どこって、授業に……」
悠稀の困ったような顔を見ながら、悠紫はため息をつく。
「ずっと一緒にいるんだろ?」
「え!?」
驚いている悠稀を見て、やっぱりと悠紫は呟く。
やっぱり、悠稀には最後まで伝わってなかった。
悠紫は、今日は一日中ずっと図書室で一緒に居ようと言ったのに。
悠稀は、授業中などは別に考えていたようだ。
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