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悠紫と悠稀がたどり着いた場所は、学校の近くにあるコンビニ。
「いい場所って、コンビニ?」
悠稀の不思議そうな表情を見て、悠紫は苦笑する。
「まさか。ここで少し待ってろ」
そう言うと、悠紫は悠稀の返事も聞かずに歩いていく。
「あ、ちょっと!」
悠稀が呼び掛けるが、聞こえていなかったらしい。
悠紫の姿が角に消える。
「……もう」
呆れたように言うと、悠稀は壁にもたれ掛かった。
その体制のまま、悠紫の帰りを待つ。
いいところがコンビニではないのなら、どこなのだろう。
悠紫の連れていってくれる場所が検討もつかない。
だから、悠稀はただ静かに悠紫の帰りを待つだけだ。
「まだかしら」
まだ少ししか経っていないのだが、悠稀は待つのが嫌いだった。
不機嫌そうな表情のまま、悠稀はそれでも悠紫を待っている。
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