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次の日、大樹と悠紫は暗い表情で学校に来ていた。 結局昨日、羽都は見付からなかったのだ。 一日中探し回っていた悠紫達は、一睡もしていなかった。 それに、悠紫としてはもう一つ憂鬱な事がある。 それは、悠稀に会う事。 昨日おいてきた悠稀が、自分の事を許してくれるだろうか。 もし許してもらえないのなら、自分はどうすればいいのだろう。 「あ、紘子」 考え事をしていて、悠紫は回りを全く見ていない。 横にいて先に気付いた大樹が、小さく呟く。 ゆるゆると顔を上げると、紘子が一人で歩いていた。 さっきの声が聞こえたのか、前を向いていた紘子が振り向く。 「大樹先輩と悠紫先輩。おはようございます」 いつものように微笑んだ紘子に対し、悠紫と大樹は疲れたような声で挨拶を返す。 「……お疲れですね」 多分、昨日紘子は大樹から聞かされていたのだろう。 心配そうな表情で、紘子は大樹を気遣うように覗き込む。 「あぁ、平気だよ」 「大樹。俺、図書室行くな」 二人のやり取りを見ていた悠紫は、大樹にそう言ってから歩き出す。
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