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「心配ないわよ。遙、いい子だから」
悠稀の言葉に、それ以上徹斗は何も言えない。
徹斗自身も、遙がいい子だという事を知っているから。
「まぁ、悠稀がそう言うなら大丈夫だよな」
自分を納得させるようにそういうと、徹斗は眠る体制に入る。
「あら、寝るの?」
「お~、おやすみ」
眠そうな声をあげて布団に潜る徹斗を見て、悠稀の顔に優しい笑みが浮かぶ。
「おやすみなさい」
そういうと、悠稀は静かにベットから抜け出す。
一階にいる遙を起こさないように扉を開けて、軽食を用意していた。
「ただいま~」
そこに、陽気な声が聞こえる。
「おかえり、母さん」
「悠稀ちゃんただいま!」
悠稀に抱き着いている女性は、柑奈だ。
少し酔っているのか、いつもより煩い。
「ご飯作ったから、食べて」
机においてあったのは、綺麗に盛り付けされたサンドイッチだ。
「あら、ありがとう」
柑奈は近くの椅子に座り、そのサンドイッチを頬張る。
「おいしい!悠稀ちゃんはやっぱり料理が上手ね」
柑奈に褒められて、悠稀は嬉しそうに微笑む。
「それじゃ、私は寝るわ。ここ、遙って女の子が寝てるから気をつけてね」
そう言うと、悠稀は自分の部屋に戻って行った。
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