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「…本当に?」
もう、裏切られたくない。
紘子は私を裏切った。親友だった筈なのに。
紘子が裏切ったのに、あいつの親友の悠紫が裏切らないなんて、考えていいの?
そう思って、悠紫に聞いてみる。
「あぁ、本当にだ」
「絶対に、裏切らない?」
「あぁ」
悠稀の質問に、嫌な顔をせずに答えてくれる悠紫。
信じてみたい。そう思えた。
「ありがとう、矢神先輩」
笑いながら、悠稀は悠紫にお礼を言う。
「悠紫でいい」
「へ?」
いきなり言われたが、一瞬悠稀は理解出来なかった。
「悠紫でいい、俺も悠稀って呼ぶからな」
これが、悠紫と悠稀の出会いだった。
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