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「えぇ、少し」
「そうか」
嘘を言っても意味がない。
それに、彼はどんな事も詮索しようとはしない人だ。
だから、悠稀のようなタイプと上手く付き合っていけるのだ。
「ごめんなさい、帰りましょう」
小さく笑みを浮かべて、悠稀は悠紫の腕をぐいぐいと引っ張る。
悠稀は悠紫と一緒に帰っているのだ。
本来なら、悠紫は大樹と帰るのだが、いつの頃からか、悠紫は悠稀と帰るようになった。
悠稀は、それがとても嬉しかったのだ。
悠紫は悠稀の味方であると、何の疑いもなく信じられるから。
だから、一緒に帰る事が楽しみだし、癒しでもあった。
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